絨毯の時間をもう一度つなぐ|手織り絨毯の補修作業

今日は、お客様から大切にお預かりした絨毯の補修作業を行っています。

傷んだ縁を、一針ずつ丁寧に整えていく。

ただ糸をかがっているだけのように見えるかもしれませんが、実はとても繊細な作業です。

針の入れ方、糸の引き加減、手元への集中。

その日の集中力や体調によっても、仕上がりに差が出るため、急がず、絨毯の状態を見ながら少しずつ進めていきます。

補修は、すぐに終わる華やかな仕事ではありません。

けれど、この一針一針が、傷みかけていた絨毯の時間を、また静かに動かし始めてくれます。

手織り絨毯は、使い捨てのものではありません。

日々の暮らしの中で踏まれ、座られ、家族の時間を受け止めながら、少しずつ風合いを深めていきます。

だからこそ、傷みが出たときには、できる限りその一枚の持ち味を残しながら、これから先も使えるように整えていくことが大切です。

補修とは、ただ古いものを直すことではなく、その絨毯がもう一度、暮らしの中で役割を果たせるように手を添えること。

これからも、この絨毯がお客様の暮らしに寄り添い続けられますように。

そんな思いを込めて、今日も針を進めていきます。